「銀行口座を持っているだけで手数料がかかるようになるの?」
「長い間使っていない銀行口座があるけれど、維持費を請求されるのだろうか?」
このような疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
銀行口座の維持・管理にかかる費用については、近年、一部の金融機関で手数料の導入や見直しが進んでいます。
特に注意したいのが、長期間利用していない銀行口座に対して請求される「未利用口座管理手数料」です。
ただし、銀行口座を持っているだけで、すべての銀行から一律に口座維持手数料を請求されるわけではありません。
銀行によって手数料の有無や対象となる口座、適用条件は異なります。
この記事では、口座維持手数料の仕組みや導入される背景、銀行口座の有料化の動きについてわかりやすく解説します。
あわせて、手数料がかかる口座の特徴や、銀行口座を無料で使い続けるための対策も紹介します。
この記事でわかること
- 口座維持手数料とは何か
- 口座維持手数料と未利用口座管理手数料の違い
- 銀行が手数料を導入する理由
- 銀行口座の有料化が進んでいる背景
- 手数料がかかる口座の条件
- 銀行口座を無料で維持するための方法
銀行口座の手数料を節約したい人や、使っていない口座を整理したい人は、ぜひ参考にしてください。
口座維持手数料とは?
口座維持手数料とは、銀行口座を維持・管理するために、銀行が利用者から徴収する手数料のことです。
銀行は口座を管理するために、システムの維持や顧客情報の管理、不正利用への対策など、さまざまな費用を負担しています。
こうした費用の一部を口座保有者に負担してもらう仕組みが、口座維持手数料です。
ただし、銀行によって手数料の名称や対象となる口座は異なります。
口座維持手数料には複数の種類がある
銀行の口座に関連する手数料には、次のようなものがあります。
| 手数料の種類 | 主な内容 |
|---|---|
| 口座維持手数料 | 口座の維持・管理に対してかかる手数料 |
| 未利用口座管理手数料 | 一定期間利用されていない口座にかかる手数料 |
| 通帳利用手数料 | 紙の通帳を発行・利用する場合にかかる手数料 |
| 口座管理手数料 | 特定の商品・口座の管理に対してかかる手数料 |
これらは似た名称ですが、必ずしも同じ仕組みではありません。
特に、一般的な普通預金口座の維持手数料と、長期間利用していない口座に対する手数料は区別して考える必要があります。
銀行口座は持っているだけで有料になるの?
日本の銀行では、一般的な普通預金口座について、口座の維持・管理手数料を原則無料としている金融機関もあります。
例えば、りそな銀行では、口座の管理手数料は原則かからないと案内しています。ただし、未利用口座管理手数料や通帳利用手数料がかかる場合があります。
つまり、銀行口座を持っているだけで必ず維持費が発生するわけではありません。
一方で、銀行によっては特定の条件を満たす口座に対して手数料を徴収する仕組みを導入しています。
銀行口座を長期間利用していない場合は、口座の種類や利用状況を確認しておくことが大切です。
口座維持手数料と未利用口座管理手数料の違い
銀行口座の手数料を調べる際に、特に混同しやすいのが「口座維持手数料」と「未利用口座管理手数料」です。
両者の違いを整理しておきましょう。
| 比較項目 | 口座維持手数料 | 未利用口座管理手数料 |
|---|---|---|
| 対象 | 銀行が定める対象口座 | 長期間利用していない口座 |
| 主な条件 | 商品・口座の契約条件による | 一定期間入出金がないなど |
| 手数料の発生 | 契約条件による | 未利用状態などの条件を満たした場合 |
| 主な目的 | 口座の維持・管理費用の負担 | 口座管理費用の負担や不正利用防止 |
未利用口座管理手数料は、通常の口座維持手数料とは異なり、口座を一定期間利用していないことが主な条件となります。
ただし、具体的な対象期間や手数料額、免除条件は銀行によって異なります。
未利用口座管理手数料とは?
未利用口座管理手数料とは、一定期間、入金や出金などの取引が行われていない銀行口座に対して徴収される手数料です。
銀行によっては、2年以上利用されていない普通預金口座などを対象としています。
例えば、三菱UFJ銀行では、2021年7月1日以降に開設された普通預金口座のうち、2年以上入出金取引がない口座について、年間1,320円(税込)の未利用口座管理手数料を導入しています。
ただし、すべての銀行が同じ条件を採用しているわけではありません。
口座を開設した時期や残高、他の金融商品との取引状況などによって、手数料の対象外となる場合もあります。
銀行が口座維持手数料を導入する理由
銀行が口座維持手数料や未利用口座管理手数料を導入する背景には、主に次のような理由があります。
- 銀行口座の維持・管理にかかる費用の負担
- 長期間利用されていない口座の削減
- 不正利用や犯罪への悪用を防止するため
- 銀行サービスを持続的に提供するため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 口座の維持・管理に費用がかかるため
-
銀行は、利用者が口座を持ち続けるために、さまざまな管理業務を行っています。
例えば、次のような業務です。
- 預金残高や取引履歴の管理
- 顧客情報の保管・更新
- オンラインバンキングのシステム維持
- 不正アクセスや不正送金への対策
- 問い合わせ対応
- 法令に基づく確認や管理
これらの業務には、システム開発費や人件費などが必要です。
特に、口座数が多い銀行では、利用頻度の低い口座も含めて管理する必要があります。
そのため、銀行によっては、口座管理にかかる費用の一部を利用者に負担してもらう仕組みを導入しています。
- 長期間利用されていない口座を減らすため
-
銀行には、長期間利用されていない口座が存在します。
例えば、次のようなケースです。
- 学生時代に開設した銀行口座
- 転職前の給与振込口座
- 引っ越し前に利用していた地方銀行の口座
- キャンペーン目的で開設したネット銀行の口座
- 以前利用していた銀行の口座
こうした口座は、現在使っていなくても、銀行側では管理を続ける必要があります。
未利用口座管理手数料を導入することで、利用者に口座の利用や整理を促す効果が期待できます。
- 不正利用や犯罪への悪用を防ぐため
-
長期間利用されていない銀行口座は、第三者による不正利用や犯罪への悪用につながるリスクがあります。
例えば、長期間放置された口座が、知らないうちに不正な取引に利用される可能性も考えられます。
銀行は、こうしたリスクを抑えるために口座の管理や確認を行っています。
PayPay銀行も、未利用口座管理手数料の目的として、長期間利用されていない口座の利用促進や不正利用・犯罪への悪用防止を挙げています。よくあるご質問(個人のお客さま)
口座の利用状況を定期的に確認することは、利用者自身の資産を守ることにもつながります。
銀行口座の有料化の動きは進んでいる?
銀行口座の有料化については、すべての口座が一律に有料になるという動きではありません。
一方で、長期間利用されていない口座を対象とした手数料の導入や、紙の通帳に関する手数料の見直しなどは、複数の金融機関で行われています。
未利用口座管理手数料を導入する銀行がある
未利用口座管理手数料は、銀行によって対象条件が異なります。
以下は、各銀行が公表している制度の例です。
| 銀行 | 主な制度・条件 |
|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 2021年7月以降に開設され、2年以上未利用の普通預金口座などが対象 |
| 三井住友信託銀行 | 2年以上入出金のない普通預金口座などが対象。年間1,320円(税込) |
| りそな銀行 | 2年以上入出金のない口座などについて、条件により手数料が発生 |
| PayPay銀行 | 2年以上利用のない個人・個人事業主口座などが対象。年間1,320円(税込) |
上記は制度の一例です。
実際に手数料が発生するかどうかは、口座の開設時期や預金残高、他の取引状況などによって異なります。
また、銀行の制度は変更される可能性があるため、利用している銀行の公式サイトで最新の条件を確認することが大切です。
2026年にも未利用口座管理手数料の導入例がある
2026年1月5日、近畿ろうきんは、長期間利用されていない普通預金口座・貯蓄預金口座を対象とした未利用口座管理手数料の新設を公表しました。
対象は2年以上取引のない口座で、不正利用防止などを目的としています。
また、残高のない未利用口座については、自動解約の取り扱いも開始するとしています。近畿ろうきん
このように、未利用口座の管理方法を見直す金融機関は存在します。
ただし、これは銀行口座全体が有料化されることを意味するものではありません。
今後の銀行口座の有料化を考える際は、通常利用している口座と、長期間放置している口座を分けて考えることが重要です。
紙の通帳に関する手数料にも注意
銀行によっては、紙の通帳を利用する場合に手数料がかかることがあります。
例えば、りそな銀行では、2023年1月16日以降に新規開設した個人の普通預金口座について、取引状況などによって通帳利用手数料がかかる場合があると案内しています。
これは、口座そのものを維持するための手数料とは異なります。
銀行口座を無料で利用したい場合は、口座維持手数料だけでなく、通帳や明細書に関する手数料も確認しておきましょう。
口座維持手数料はいくらかかる?
口座維持手数料や未利用口座管理手数料の金額は、銀行によって異なります。
未利用口座管理手数料では、年間1,320円(税込)を設定している金融機関があります。
仮に年間1,320円の手数料がかかる場合、費用は次のようになります。
| 利用期間 | 手数料の合計 |
|---|---|
| 1年間 | 1,320円 |
| 3年間 | 3,960円 |
| 5年間 | 6,600円 |
| 10年間 | 13,200円 |
実際には、銀行ごとの制度や手数料の引き落とし条件によって異なります。
また、口座残高が手数料額に満たない場合、残高の全額が引き落とされたうえで口座が自動解約されるケースもあります。
例えば、三菱UFJ銀行では、未利用口座管理手数料の引き落とし時に残高が不足している場合、残高全額を引き落としたうえで口座を自動解約する取り扱いがあります。
そのため、残高が少ない口座であっても、放置せずに利用状況を確認することが大切です。
銀行口座を無料で維持するための方法
銀行口座の手数料を避けるためには、口座の利用状況や契約条件を定期的に確認することが重要です。
ここでは、銀行口座を無料で維持するための具体的な方法を紹介します。
- 1. 定期的に入金・出金を行う
-
未利用口座管理手数料は、一定期間入金や出金がない口座を対象としている場合があります。
そのため、対象口座に定期的な入金や出金を行うことで、未利用口座の条件に該当しなくなる場合があります。
例えば、次のような取引です。
- 給与や年金の受取口座として利用する
- 他の銀行口座から入金する
- ATMで出金する
- 必要な支払いに利用する
ただし、すべての取引が未利用期間の判定対象になるとは限りません。
銀行によっては、利息の入金や手数料の引き落としを取引として扱わない場合があります。
また、口座振替や振込などの扱いも銀行によって異なるため、具体的な条件を確認しましょう。
- 2. 給与振込口座や引き落とし口座として利用する
-
銀行口座を日常的に利用することも、未利用口座管理手数料を避けるための方法です。
例えば、給与振込口座や公共料金の引き落とし口座として利用すれば、定期的な取引が発生します。
特に、メインバンクとして利用している銀行口座であれば、未利用口座として扱われる可能性は低くなります。
ただし、銀行によっては対象となる取引の定義が異なるため、利用状況を確認しておくと安心です。
- 3. 使わない銀行口座を解約する
-
今後利用する予定がない銀行口座は、解約を検討するのも一つの方法です。
銀行口座を複数持っていると、口座ごとの利用状況や手数料を把握しにくくなります。
特に、次のような口座は整理を検討するとよいでしょう。
- 以前の勤務先で利用していた給与振込口座
- 使わなくなった地方銀行の口座
- キャンペーン目的で開設した口座
- 残高がほとんどない口座
ただし、解約する前に、公共料金やクレジットカードの引き落とし、給与振込などに利用されていないか確認してください。
また、銀行によっては解約手続きに必要な書類や本人確認の方法が異なります。
- 4. 手数料のかからない銀行口座に切り替える
-
銀行口座を利用する目的によっては、手数料のかからない銀行口座に切り替えることも有効です。
例えば、ネット銀行では、スマートフォンやパソコンから口座を管理できるほか、銀行によっては口座維持手数料を無料としている場合があります。
ただし、ネット銀行であっても、すべてのサービスが無料とは限りません。
ATM利用手数料や振込手数料、未利用口座管理手数料などが発生する場合もあります。
銀行口座を選ぶ際は、口座維持手数料だけでなく、日常的に利用するサービスの費用も比較することが大切です。
口座維持手数料がかからない銀行を選ぶポイント
銀行口座を新しく開設する場合は、口座維持手数料が無料かどうかだけでなく、使いやすさやサービス内容も確認しましょう。
- 口座維持手数料が無料か確認する
-
まずは、口座を持っているだけで手数料がかかるかどうかを確認します。
特に、次のような条件に注意してください。
- 口座開設時期による違い
- 一定期間利用していない場合の手数料
- 預金残高による免除条件
- 他の金融商品を利用している場合の優遇条件
銀行によっては、古い口座は対象外でも、新しく開設した口座は手数料の対象となる場合があります。
- ATM手数料や振込手数料も比較する
-
銀行口座を利用する際には、口座維持手数料以外にも費用が発生することがあります。
例えば、次のような手数料です。
手数料 確認したいポイント ATM利用手数料 無料になる回数や条件 振込手数料 他行宛て振込の無料回数 通帳利用手数料 紙の通帳を利用する場合の費用 口座維持手数料 口座を持ち続けるための費用 未利用口座管理手数料 長期間利用しない場合の費用 銀行口座を選ぶ際は、これらの手数料を総合的に比較することが重要です。
口座維持手数料に関するよくある質問
まとめ|銀行口座の手数料は利用状況を確認して対策しよう
口座維持手数料とは、銀行口座の維持・管理にかかる費用を利用者が負担する仕組みです。
ただし、日本の銀行では、一般的な普通預金口座の維持手数料を無料としている金融機関もあります。
一方で、長期間利用されていない口座を対象とした未利用口座管理手数料や、紙の通帳に関する手数料などを導入する銀行もあります。
銀行口座を無料で利用し続けるためには、次のポイントを押さえておきましょう。
- 利用している銀行の手数料条件を確認する
- 未利用口座管理手数料の対象条件を確認する
- 使わない銀行口座は解約を検討する
- 給与振込や引き落とし口座として活用する
- ATM手数料や振込手数料も比較する
特に、長期間利用していない銀行口座は、知らないうちに手数料の対象となる可能性があります。
銀行口座を定期的に見直し、自分に合った銀行を選ぶことで、余計な手数料を抑えながら便利に利用できます。
銀行口座の維持費だけでなく、ATM手数料や振込手数料も含めて比較し、無駄のない口座管理を目指しましょう。

